大前伶子のニューヨーク

もう一度漁業一日休業

昨日、聖路加のプールサイドにある赤外線サウナに入っている時、築地市場のおじさん二人と一緒になった。いかにも築地！という威勢のいい人達。彼らが言うに「こんな真夏に一日ストしたってだめだよ、みんなそうめんか冷やし中華食っている時だろう？マスコミ向けにデモしてるってイメージじゃないか」八戸や石巻の漁協から深夜バス連ねて朝東京駅について、朝ごはんを食べて１０時半から日比谷公園で総決起大会を。それからお弁当も自腹でその後晴海通りを築地までデモをしたそうだ。ただ、あの暑さ、青森の漁港の人なんか顎が出ていたって。余り効果がなかったんじゃないか？とのコメント。マスコミに取り上げられる事で満足しているかもな。それで「お宅もデモに参加したのですか？」と質問したら、「おいら老とるは事務所にいたよ」とのこと。何だかデモを囃し立てているのではないか。お陰で魚に関してマスコミは取り上げ、いつも３０分はかかる競は５分だったと大げさに取り上げていた。私が築地を歩いてみた結果は、結構良い魚が売られていましたがこの暑さ、秋の気配まで秋刀魚の塩焼きはお預けですね。ただ、私は冷たい料理より温かいのが好きです。そうめんも自分で作る時は温麺にします。冷やし中華より熱々のラーメンの方が好きです、どんなに暑くても。

先週行かれなかったので、今日は朝から白楽へ。例のアロエ･ベラを持って行ったら妹が「そう、アロエって何にでも利くのよね」といったから私が「アレキサンダー大王の時代から・・・云々」彼女が「おねえちゃまの話はすごいわねぇ、アレキサンダー大王が出てくるとは」と大笑らいされた。この暑さにもめげず母は元気でしたが、食が細くなった気がします。でも、スイカのカットの選び方は美味しいとこだけ自分のお皿に取っていました。まだ、競争意識がある内は大丈夫でしょう。

外国の室内装飾マガジン

veranda と　House & Beautiful はアメリカを代表する室内装飾月刊誌だ。昔から大好きだったが、日本に入ってくると値段が５倍以上になる。アメリカに行くと帰りの空港で買い求めて来るのが常だった。ある日娘がこの雑誌をお土産に買ってきてくれ、私が異常に喜んだせいで、その後彼女は年間契約してくれた。ただ、彼女の弁「この八丁堀の狭い部屋で、参考になることが有るか、考えられないのだけど・・・・」とつれな言葉。勿論このマガジンは広い部屋を写していますよ。でもね、その中から何か参考になることを想像するだけでも豊かになるじゃないですか。わくわくしながらページをめくっています。リビングに腹ばいになって、こんな部屋だったら・・・・と私なりに批評したり、感心したり。月間の購読ですと６３％セーブ出来るから、ｱﾄﾗﾝﾀの自宅に届くマガジンを彼女は毎月持ってきてくれます。この手の雑誌を見ていると、アメリカ人（じゃないかも、イタリア人？ゲイの感性？）色使いが抜群に良いのです。NYでよく言われることは、インテリアデザイナーの大半はゲイだと、絶対に彼らの感性には負けるって。言いすぎかもしれませんが、デパートのウインドーディスプレーをするデザイナーさんに聞いたことがあります。ストレートな人には”絶対に”出せない色と感性だそうです。妹も自分の部屋は汚いのに、この雑誌は大好きで、それこそ何が参考になっているのか不明ですが、きれいな部屋を夢見ているだけでしょうね。オーストラリアに行ってもこの手のマガジンを買ってきます。オーストラリアのインテリアはもう少しコンテンポラリー感があるような気がします。

ティファニーって

わが銀座は２００M範囲にティファニーが３軒もある。勿論需要があるのでしょう。ただ、この店の背景が語るいくつものストーリーが生まれては消えている、あくまでマンハッタンの五番街に威厳をもってそびえる店とその品に限ってのティファニーなのだ。ヘップパーンが濃いサングラスをしてティファニーのウインドウをパンをかじりながら覗いている、有名な一シーン。あの場所にあってのティファニーは勿論宝石は買えないとしても２階のスティショナリーや小さな銀食器は少し奮発すれば買うことが出来る。「銀の匙を持って生まれてきた子供」とは裕福な家に生まれたことを象徴する英語の表現だ。かのティファニーさんは、銀のスプーンを持って生まれてきたお金持ちのご子息だったが、商才があり、若くしててTIFFANY & CO.を立ち上げ、それを磨いて、磨いて人々と分け合ったのが彼の人生だったのだ。だから、銀座で気軽に買うものではない、というのが私の考えだ。

写真は先日模様替えした私のベット･ルームです。このピンクとグリーンの壁紙はファイリンファインで見つけたフランス製です。今までは地味な絵が二枚掛かっていたので、明るくなりました。狭い部屋ながら模様替えは趣味の一つです。

アロエ・ベラ

確か以前スーパー･マーケットで売っていたアロエ･ベラ、最近見ないなぁと思っていたら、銀座1丁目の沖縄アンテナショップで見つけた。ここは昨年石垣島の仕事をしたことで、沖縄食材に興味を持ちその後時々のぞいている。沖縄ブーム？この「銀座わしたショップ」はいつも混んでいる。初めて沖縄に行った時、ソーキ蕎麦を食べて「何じゃ、こりゃ不味いなぁ」と思ったが、昨年行った時は美味しいソーキ蕎麦を食することが出来ました。それと石垣牛、これが美味しいの何の。生きもずくも美味しかった。長いこと捜していたアロエ・ベラの立派なのを一枝買ってきた。1本1,050円でした。アロエ・ベラを調理して自分だけきれいになろう、と言う魂胆。アフリカやインドでは古代から薬草としていたらしい。紀元前4世紀ごろアレキサンダー大王が戦場で傷ついた兵士の治療に使用したアロエ･ベラ、シミや皺にはきかないでしょうか。食べるのは沸騰したお湯で3分ほど茹で冷水で冷やすと美味しいと。ヨーグルトに角切りを入れたり、お刺身みたいにスライスしてポン酢が美味しいとか、早速作ってみましょう。外側は苦いらしいけど内側はぷるんとして美味しいそうです。沖縄弁丸出しのお姉さんが美味しい食べ方を教えてくれました。

一斉休漁の築地

燃料高騰の折、漁師さんたちが一斉に漁に出なかったと報道されたので、築地まで行って見た。風評のせいか、10時前だったのに、市場は空いていた。魚一匹買わない外人さんの観光客が目立った。市場のおじさんも「don't touch」と怖い顔して注意していた。そりゃ”ほや貝”を見て触りたくなったのでしょう、変な格好していますから。いつもは買い物のために市場を歩き回っていたので、気がつかなかった「大前水産」見つけました。左のおじさんが大前さんです。別に親戚ではありませんが、珍しい苗字すっかり打ち解けてしまいました。これから築地の買い物は大前水産にしましょう。野菜のブース、余りメジャーじゃないですが、新しいものがたくさん入っています。お正月のお雑煮に使う三つ葉が美しく売られていました。これってへんですよねぇ、何も真夏に真冬に食べる三つ葉なんて必要なのでしょうか。お料理やさんが夏の材料で工夫しなくては・・・マツタケは勿論中国産ですが、結構立派でした。こうして何も買わなくても築地は魅力的な場所です。

シルク・ド・ソレイユ

先日某出版社からシルク･ド･ソレイユの思い出を書いてよ、と依頼があった。初めてシルク･ド･ソレイユのパーフォマンスを観たのは、10数年前、母、妹、娘、私の4人がNYに集結したことがあった。NYといえばミュージカルだが、その時はマンハッタンの最南端バッテリー･パークにテントが張られ、何も情報を持たずに観に行った。サーカスだが動物が出ない人間だけのパーフォマンスだった。人間の肉体を極限まで駆使したパーフォマンスに大いに驚いたものだ。見事な演技を堪能したが、あんなに人間の体がくにゃくにゃに曲るものなんだ。その後ラスベガスでも同じカンパニーが興行している「O」も観たが水と肉体を駆使して素晴らしいものだった。このカンパニーはカナダのケベック出身のギー・ラリベルテという大道芸人の構想によりスタートしている。日本のディズニー･ランドでこの「シルク・ド・ソレイユ」がスタートする。新しいホテルと共に。

アンティーク物語

ここ数回ニューヨークへ行くとマンハッタンのアンティーク市場を覘くのが恒例だ。というのも一緒に行く”つくば”の彩花さんがアンティークの面白さを教えてくれて、すっかり虜になっている。本当のアンティークというのではないが（１８、19世紀のは高くて買えない）小さなものでも何となく愛しい品を見つけると心豊かになる。常設の店は高すぎるので、週末に郊外から来るアンティークを目指す。家具専門だったり、アクセサリー、本、陶器、それぞれ見ているだけで楽しい。昔駐在員のころ、友達に連れて行かれたアンティークショップで凄い彫刻のコーヒーテーブルを買ってきて、その当時主人に「アンティークと古道具はちゃうでぇ」「汚らしいものを家に持ち込むな」と叱られたことがあったが、その後プロに磨いてもらったら見違えるほど素晴らしいものに変身した。今でも白楽のリビングルームで一番素晴らしい家具になっている。当時からアンティークだったが、あれから40年経ったので、もっと値打ちが出たと思う。写真のチェストはジニーが小学生の時、買ったらしく、先日ジニーのおかぁさんが私の家でこれを見つけて、「懐かしい、ジニーの小さい時を思い出す、ここにあるのは嬉しい」と言ってくれたが、私は昨年蓼科をリニューアルするときジニーがいらないから・・・捨てると言ったので、何となく愛着があり運んできたものだが、我が家に鎮座して様になっている。アンティークってこうして歴史が分かるともっと楽しくなるのです。

片岡鶴太郎って役者

彼が画家になってからの活躍しか知らなかったが、物まねから芸能界入りし、32歳のときプロボクシングのテストを受けてボクサーになったとか。大林宣彦監督に見出され映画にも出演、その後椿が落ちるところを観ているうちに書いてみたいと画家も志すようになったそうだ。40代の時だ。椿は何となくポエジーを描き立てる花、シンプルな花弁と一番良い時にぽとりと落ちる。彼の絵は銀座の道場六三郎さんの店に素晴らしいお魚の絵が掛かっていて、良い構図だなぁといつも見とれている。彼の以前の活躍は余り知らなかったが、この頃の彼の顔は引き締まってとても良い顔をしている。多分余り大きな人ではないし、別にハンサムでもないけど、良い役者だなぁと感じる。彼の言葉で修行中の師匠に言われたこと「修行中でもひいき筋がご馳走してくれる時は、けっして高いものをたのんじゃいけないよ、お蕎麦だったら、もり、かけ、喫茶店だったらコーヒー、紅茶だ」と。そのために修行に出されたその日に師匠が「大きなえび天が3匹入った天丼をご馳走してくれた」そうで、これを最後に一人前になるまで決して贅沢をしちゃいけないよ、と諭したとか。これは片岡鶴太郎さんが思い出として語っていたが、含蓄のある言葉だと思った。

今日は一日原稿書き

外は暑そう、数件の原稿を書こうと朝から気合を入れて下書きを書き始めた。一歩も外へ出ない日なんて珍しい。従って一銭もお金も使わない。ベランダから外を見たら丁度雨が降ってきた。今では空調があるので、わざわざ高原に行かなくても涼しい思いができる。気合を入れたはずの原稿も思うように捗らない、私は電車の中で下書きを書くのが好きで、白楽までの1時間たいていノートに書き溜めている。案外急がされることがあるほうが原稿が進むことを知った。捗らないので、聖路加で泳いできましょう。

NYの不動産情報

バブルの時、日本はマンハッタンの有名ビルディングを買いあさっていた。今ではすっかりその悪名が消え去ったが、本当のお金持ちは今のマンハッタンを買っているそうだ。アラブ首長国連邦、アブダビ投資銀行は王様のお金を管理している。バブルの頃、あのエンパイア・ステート･ビルも日本人が狙っていると噂があったが、何百という会社が入っているビルを買って果たして手に余るのでは？と心配していた。日本のお金持ちがロックフェラーを買った時も顰蹙ものだったが、アラブの王様なら許されるのか。バーニーズを8億2500万ドル、GMビルを28億で・・・ドバイには世界一高いビルブルッシュ･ドバイを建設中らしい。アラブは石油が採れるが何時まで持つか、その後の食べていける道をNYに求めているのでしょう。昨日NYの鈴木かつ子さんから送られたNYの情報新聞によると「不動産価格下落続く」と言うタイトルでNYは前年比８％減だそうだ。2004年の不動産ブームが起こる前の水準にさがっていると報じている。不動産価格は現在も下がり続けていて、下落のスピードは遅まる兆しは見えないそうだ。本当の金持ちは今が買い時なのでしょう。