NYに住んでいる頃、オリンパスの駐在員と知り合いました。勿論いい会社で、当時はカメラといっても一般用ではなく胃カメラのような医療用が多かったらしいですが、とても素敵な考えの方でした。ところが5,6年前でしょうか。オリンパス・カメラの広告を見て唖然としました。あんなステキな社員がいる会社なのに・・・・その広告たるや今の体たらくを予言したようなものでした。滝沢秀明(タッキーと言うらしい)が出ている広告。覚えている方がいるかも知れませんが、電車で寝ている女性のハンドバックから”そのオリンパスカメラ”がのぞいていました。そこへタッキーが車両に乗り込んできて、寝ている女性のバックに手を突っ込んで、寝ている女性とタッキーが勝手に写真を撮って、元どうりに返しておく。その女性は(気が付かない)家に帰ってパソコンにチップを入れるとタッキーと写っていて喜ぶ!というシーンでした。この広告を見て、私は怒り狂いました。いくらタッキーと言えども人のバックに手を突っ込んで取り出して、なんて言語道断だと思いました。私は何回かこの場面を観てオリンパスに電話しました。いわゆるクレイマーです。広告担当の部長さんが「あのタッキーですよ、彼は人気があるから、すごく良い広告だと思いますけど」とのたまったのです。私は「どんなに有名な人でもあのシーンはダメです」と。電通の人も付いてきましたが、彼らはタッキーを起用したことでルンルンだったみたいです。何度も広告会議をしたのでしょうが。あのいい会社だと思っていたオリンパスの会社のスタンスが分かりました。今の体たらくはあのコマーシャルをOKした会社の上層部でいっぺんに理解してしまいました。何をしても上層部には逆らえなかったのでしょう。
最近のコメント