人間が持って生まれるものは無尽蔵にあると認識できるのに思いつく言葉はわずかだ。
容姿、 性格、 体力、 才能、 運
無尽蔵なはずの差異は、結局、この中のどれかに納まってしまって、人種の相違なども結局詰まるところ、この中のどれかに納まってしまう。
これは私が今読んでいる宮本輝の「睡蓮の長いまどろみ」の中に書いてありました。私はこの小説家「宮本輝」さんが好きで、たいていのものは読んでいる。暗い小説が多いが、読み進むうちにその情景や人物が浮かび上がってくる。容姿についても、白人、黒人、東洋のいわゆる黄色人種など、肌の色は生まれながらに決まっているし、鼻が高いか、低いか、目が大きいか、スタイルがいいか・・・今の時代ある程度治せるものもあるが、マイケルジャクソンみたいに、あくまでも白くなりたいとか、相撲取りが痩せていては勝てない。性格はこれも生まれながらのものもあるが、年をとれば多少変わる方もままみられます。体力は千差万別、私は多分体力がある方でしょう。妹に「おねえちゃま、一日そんなに動き回って疲れない?」とよく聞かれますが、予定が入っているほうが元気になります。すぐ疲れた、疲れがという人がいますが、そういう人勘弁してほしい。才能!!これは何を才能というのか・・・そう、私は若いときバレリーナーになりたくて一生懸命定期試験もそっちのけでお稽古に行っていましたが、才能がなく頓挫しました。ピアニストも小原孝さんのコンサートに行くと、「あぁあぁ、プロは大変だなぁ」とため息が出ます。NYの街を歩いているとミュージカルのオーディションの列に出くわしますが、たった一つの「役」に何百人も殺到します。その中から選ばれる。だからと言ってスターになれるわけじゃないし。最後の「運」これがすべてなのではないでしょうか?生まれながらに運がついている人も稀にいますが、例えばアムウエイの中島薫さんに出会って中島さんは確かに運がいい方ではありますが、運だけじゃなくいつも努力に努力を重ねていらっしゃる方です。本当に運に愛されているからこそ成功があるのです。人に愛され、運にあいされていると、長い人生楽しいものになる。宮本輝さんの小説はそうはいかない暗い場面が多いです。
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