大前伶子のニューヨーク

乗り物再考

ゴールド・コーストに滞在した時、友達とランチをするのに、私が車を使うと家族が出かけられないので、初めて公共交通機関のバスに乗った。ご多聞にもれず、バスの乗客は年寄りが多かった。どういう風にバス代を払うのか、興味があったが、ゴールド・コーストのバスはのんびりしている。まず乗ったら何処まで行くかを申し出る。お釣りはレジをのせているので、ＮＹのバスのように２５セントを８枚も準備しなくても良い。初乗りが＄２．３０セントだから都バスより少し高いか。私は降りる街の名前が分からないので、回りの景色を見て降りようと思っていた。乗客の人たちは私が降りるところが心配だったらしく、何度も大丈夫か？と声を掛けてくれた。とにかく親切。バスを降りてからタクシーでベルサーチ・ホテルまで行ったが、初乗りが＄２．００だった。それにしても銀座で見ていると、４台に１台しか乗客が乗っていない。オイルが上がったから、タクシー代を値上げするサイクルは間違っているのでは。むしろ初乗り２００円くらいにして、結果７１０円になる方が人々は気軽に乗るのでは？ありませんか。その方が割安感で利用する人も増える、と私は思います。確かＮＹも初乗り＄２・００でした。今回＄１が約１００円になり、２年前より２０％ドルが上がったので、オーストラリアはいったいに物価が上がったと感じたが、それでも大きな家と敷地、ショッピングセンターなどで見ていると、みんなのんびりしている。見方によってはスーダラ感に溢れているとも言えるが。太った人も多いし・・・・

横浜ニューグランド・ホテル

取材する側が普段の仕事だが、今回は取材をされる立場で、夕方から横浜ニューグランド・ホテルへ向かった。今回創業８０周年ということで、９４歳で亡くなった母方の祖母の思い出、母、私とこのホテルが大好きだった思いを語った。その後ノルマンディーでフランス料理のディナー、バー・シーガーディアンでこのホテル発祥のカクテル”YOKOHAMA"を一杯戴いてお暇した。みなと未来線元町・中華街を１１時０５分の急行に乗ったが、八丁堀に着いたのが１２時０５分だったので、丁度１時間。近いといえば近いのだが、軽井沢まで新幹線で１時間。同じ一時間なのに長いと感じてしまった。

心の旅路

ゴールド・コーストに到着した日、雨が降っていたので母と古い、古いビデオを観た。RANDOM HARVEST　１９４２年に公開された勿論モノクロ、邦名「心の旅路」多少感傷的な映画だが、何におどろいたか。翌朝、研一が「おふくろさん、ずいぶん熱心にビデオを観ていたけど、そんなに面白かったの？」と聞いたら、何とあらすじをよどみなく語っていた。８９歳の母の記憶力を”すごい”と思った。確かに前回ゴールド・コーストに行った時より体力は落ちている。ショッピングも行きたがるが、行くと時間ばかり気にして、「もう帰りましょうよ」と言うが、それ以外は９０歳に近いとは思えない。それにしても昔の映画は面白い。あの時代整形手術などない時代に主役の女優の美しいこと。かぐわしいばかりの美形。背景やセットはちゃちいしストーリーも単純なものだが、じーーんとくる。戦争による精神患者を収容していたところから、脱出した一人の男性の記憶喪失の３年間の闇を一気に観てしまった。私の心に残った母との思い出だ。

もう七草粥

お正月の雰囲気も味わっていないのにもう七草、日の経つのが早いこと。今日は明治座一月公演「富貴楼のお倉」というお芝居を観に行った。旅友土田早苗さんが出演しているので、築地の”もすけ団子”を持って楽屋見舞い。彼女とはNYに行く仲、子役から女優をしているそうだが、彼女が舞台に立つと華、花、何とも言えないオーラがかもしだされる。歌手の川中美幸さんの特別公演だったが、競演に田村亮さんがとぼけた遊び人の亭主を好演していた。以前に土田さんが「川中美幸さんは歌手の中でも特別にいい人、彼女の頼みは多少忙しくても断らないのよ」と言っていたが、今日の舞台を観て、その人柄が好感をもてた。その後、中央区の区議神林勲さんから「区長たちと新年会をしているから・・」とお誘いを受け、明治座からすぐの日本橋とよだという割烹へ。区長とも個人的に親しくしていただいて、１５年以上か。たいめい軒の茂出木さんとも久しぶりにおめにかかり、新年のご挨拶と会食。みなさんに良くして頂き感謝、幸せ。

新年会

２週間もゴールド・コーストに行っていたので、今年初めての社会復帰。聖路加のジム仲間７人で赤坂東急の星ヶ丘へ。中華オーダーバイキングとやら、それもふかひれ姿煮付。女同士は気が置けない、気を使わないことを良い事に、食べる、食べる。二度と行けない恥ずかしさ。帰りに今年初めての地下鉄に乗って驚いた。ドアーからドアーまで座席数９人、ぜぇんぶ、若い男女が座っていたが、これも全員携帯をいじっていた。しかも１個だけでなく３個もあやっっている輩もいて、私は目が点になった。気がついて私の両隣をみたら、この二人も携帯に釘づけ。こんな時代でいいのでしょうか。それは便利なものですが、こうまで若者をとりこにしてしまうとは。トホホ・・・・そんなに急いでしなくてはいけないのでしょうか。せめて一人くらい本を読んでいてほしかった。世も末じゃ、と思うのは年のせいでしょうか。今回ゴールド・コーストにいる間、携帯なしで生活しました。快適でしたよ。妹とも時間と場所を約束して待ち合わせた。携帯がないから、もう少し時間をちょうだい、なんて甘ったれたこと言えないし、８９歳の母を待たせたら可愛そうだから、時間は正確になる。携帯のお陰で待ち合わせ場所や時間をいとも簡単に変更する今の時代、私は携帯なしで、約束をするのが好きだ。時間に正確、約束は守る、これが私の新年の標語。今までもそうだったけど。典型A型人間です。

遅くなりましたが「新年明けましておめでとうございます」

南半球・ゴールド・コーストでお正月を迎えました。写真は元旦の食卓を飾った約６０センチの鯛の塩焼きです。食材を持ち込めない苦労はありましたが、それなりにこの鯛で雰囲気を盛り上げました。前回見つけた大きな魚屋は何でもあります。この鯛６０ドルでしたが、日本円で６，０００円くらいでしょうか。かの国は根のついたもの、生ものを持ち込むことを極端に警戒しています。私は数年前に食材を持ち込もうとして、税関でこっぴどくしかられ、次にやったら強制送還させるといわれてリストされているので、細心の注意をしていきました。持ち込む日本食材は全部英訳し、リストアップしました。食材はスーツケースに入れずにダンボールでその上に２枚のリストを載せて行ったら、取調官に「パーフェクト！」と言われ、一番上に載っていた餅を取り上げて、「これは何？」と聞かれただけ。お米をスチームして丸めたものよ、と答えたら、即OK.かくしてゴールド・コーストでお雑煮と共に家族全員で新年を祝いました。

今年も出来るだけ一生懸命ブログを書き続けようと決心しています。お年賀状を拝見していると、ブログを毎日楽しみにしています、と書き添えてくださっている方が大勢いらして励みになっております。今年もよろしくお願いいたします。