ゴールド・コーストに到着した日、雨が降っていたので母と古い、古いビデオを観た。RANDOM HARVEST 1942年に公開された勿論モノクロ、邦名「心の旅路」多少感傷的な映画だが、何におどろいたか。翌朝、研一が「おふくろさん、ずいぶん熱心にビデオを観ていたけど、そんなに面白かったの?」と聞いたら、何とあらすじをよどみなく語っていた。89歳の母の記憶力を”すごい”と思った。確かに前回ゴールド・コーストに行った時より体力は落ちている。ショッピングも行きたがるが、行くと時間ばかり気にして、「もう帰りましょうよ」と言うが、それ以外は90歳に近いとは思えない。それにしても昔の映画は面白い。あの時代整形手術などない時代に主役の女優の美しいこと。かぐわしいばかりの美形。背景やセットはちゃちいしストーリーも単純なものだが、じーーんとくる。戦争による精神患者を収容していたところから、脱出した一人の男性の記憶喪失の3年間の闇を一気に観てしまった。私の心に残った母との思い出だ。
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