渡辺淳一のエッセイ「カサブランカ」に見る男と女という面白い記事、最優秀脚本に選ばれたとか。これは全米の映画、テレビなどの脚本家九千五百人でつくる、脚本家組合によって選び出され、二位は「ゴッド・ファーザー」以下「チャイナタウン」「市民ケーン」となっているそうだ。舞台は1940年の仏領モロッコのカサブランカ。私も大好きな映画ではあるが、なにぶんモノクロ、余りにも大人の恋物語で若いときに見たときはほとんど分からなかった。この映画の素敵なところは(私は)二人が再会するとき、流れる音楽「時の過ぎ行くままに」(As time goes by)渡辺淳一は言う、男はパリ時代の思い出に浸るが、女の本当の願いは、夫とともにアメリカに渡る事である。しかしそのためには、顔のきく彼に頼んで旅券の工面をしてもらわなくてはならない。つまり、女の心には懐かしさと共に打算もある。そのことは男も知っているが、心は再び女に惹かれていく。だがそうした心とは裏腹に、男は女のために、二人分の旅券をとってやる。この映画にみんなが酔ったのは、男の無償の愛、というロマンシズムだ。ラストシーン、夜の空港で、女と夫を乗せた旅客機が爆音を残して夜空へ飛び去っていく。それを見送る男の淋しい後ろ姿が哀愁をそそる。この物語に酔ったのは主に男たちだけだった、そうだ。若いときはこの物語が良く分からなかったが、歳をとってからも女は分からないと渡辺淳一はいいたいのだろうが、私は今でもわからない。その原点は男の独りよがりのロマンチシズムとお人好しから成り立っている、らしい。半年ほど前に渡辺淳一の講演を聴いたが、思いのほか真面目な面白い講演だった。彼ならカサブランカの男と女を分析するのが、得意だろうと想像する。
テキサスのジョーさんへ、カサブランカに駐在していた時尋ねていけばよかった。何となくカサブランカという響きはいいですね。
投稿情報: | 2006年5 月 3日 (水) 23:08
渡辺淳一の著書「男というもの」で男女の考え方の違いをうまく分析していて、興味深く読みました。確かその中で男のナルシズムやロマンチシズムは時として女性には理解されないとありましたが・・・・。冷静に考えると「カサブランカ」の男は滑稽でまるで日本の「寅さん」です、しかしイングリッド・バーグマン に瞳に涙をためながら話しかけられたら、納得してしまう、男の情けなさがあるようです。
投稿情報: 三木 稔 | 2006年5 月 4日 (木) 21:57
三木さんと初めてお会いした時、ベージュのスプリング・コート、ハンフリー・ボガードのコートと同じでステキでしたよ。「君の瞳に乾杯」という決めゼリフがこの映画のエッセンスでしたねぇ。一度言われてみたいものですが、日本の男は似合わないかも。渡辺淳一はその頃付き合っていた人に言って、「馬鹿ねえ・・」といわれたとか、私はきっと泣いてしまうかも。
投稿情報: | 2006年5 月 4日 (木) 23:37
不朽の名作”カサブランカ”何度も見ました。ハンフリーボガードが格好良過ぎで、
キザっぽいですが、大好きです。
バーグマンもはまり役だし・・・・
カサブランカに赴任して、あのナイトクラブ
を探したのですが、フレンチレストランに
変わっていました。
ラストシーンの空港はアンファの空港で
今は軍専用になっています。
投稿情報: テキサスのジョー | 2006年5 月 5日 (金) 12:55
テキサスのジョーさん、コメントありがとう!!ここにコメントくださった方お二人ともハンフリー・ボガードに負けずにステキですよ。ボガードというより”リック”と行った方がいいかも。かくいう私も”イルザ”と呼んでください。少し無理があるかもね。それにしてもイングリッド・バーグマンは共演した男優とはぜーーーぶ寝たとものの本に書いてありましたが、見えませんねぇ。バーグマンの双子のお嬢さんはニュース・キャスターをしていてアメリカにいた時見たことあるのですが、バーグマンにそっくりでした。
投稿情報: | 2006年5 月 6日 (土) 00:44