母たちは長いこと軽井沢に逗留していたので、本当に久しぶりの感じ。朝早く築地で手巻き寿司の材料を買って行きました。今日はお手軽手巻き寿司かなぁ。母がたくさん食べないので、彼女の好きな物だけです。手巻き寿司のコツは本物のわさびと海苔にあります。ハマグリの潮汁と共に。耳が遠いらしく妹の大声に疲れるのですが、何度も同じことをいわせるのよ、と。今年の11月で95歳になりますからね。歳を取るって悲しいことよと母は言いますが、自分でどうすることも出来ないなんて言われると明日は我が身ですから。病院に行って薬(何の薬だかわかりませんが)すごくたくさん飲んでいるのです。それを忘れるとまた妹に叱られるしと愚痴っていました。夕飯が終わった時研一から電話で”おふくろさんと話したい”と。私たち姉妹は現実をみますが、彼は忙しいこともあり、優しい言葉をかける電話で、私たち女どもより母は嬉しいのです。割に会わないですが、息子は可愛い、娘たちは煩い。どこの家も同じでしょうね。それでもこうして母が生きているのが私たちの幸せなのかなぁ。8階の下鳥さんにいつも言われています。「そういいながらでも生きているってどれだけ幸せか、亡くなって初めてわかるのよ」と。今日も新しいドレスを見せたら、「素敵ね、下鳥さん本当に丁寧なお仕事で素晴らしいわ」と何度も縫い方を見ていました。雑誌のミセスを見ながら「もう秋物ね、まだ暑苦しいけど」と。この雑誌が「装苑」と言っていた頃からの愛読書です。母は下鳥さんの先輩文化服装学園出身で、あのころの人にしてはモダン・ガールだったのです。年は等しく重ねるものですから。
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