再度読み直しました。この小説が発表されて「風の盆」の祭りが益々盛んになっている。読後感じたことはこういう不倫ものを綺麗に小説にした本の力がより強く感じます。酔芙蓉の花が高まるときに咲き、悲しいときに散る。人が集まって輪になって踊る。今年の風の盆には元高知の知事さん橋本さんご夫妻と行くのだが、高知のよさこいは激しい踊りですが、風の盆はテンポのゆっくりな深いリズムで、浸りこむ静けさがある。三味線の他に胡弓が奏でられるが、言うに言われない色っぽさがある。この本を読み終わった日曜日NHKでテレビ放送60周年の歌祭りが放送されていましたが、タイムリーに石川さゆりさんがこの「風の盆恋歌」を歌っておられました。実は私は初めて聴く曲でしたが、画面下に歌詞がでていましたが、高橋治さんの小説をぎゅうーーと濃縮した歌詞で、なかにし礼さん作詞の素晴らしさに感動をしたのです。なかにし礼さんは風の盆が好きで毎年いらっしゃると、誘われて同行した加藤登紀子さんが書いています。ただ、お風呂で会うおばさんが「私はカラオケで必ず歌うのが石川さゆりの風の盆恋歌」よ、と言われていたので、「へぇ~~、あんなに難しいのを歌っているのか」と、カラオケ大っ嫌いな私は素人のカラオケでこの歌は聴きたくない、この本のイメージが崩れたらもったいない。
そのNHKを観ていたら、やはり長続きする歌手は文句なく”うまい”。昭和の歌手で今の今まで取り上げている歌手とその歌詞、曲も何てすばらしいのだろう。私は歌謡曲は苦手ですが、それでも脱帽する巧さに感動。平成になっての曲も何曲か出ていたが、やはり軽い、字余り、曲の奥行がないので、踊ってごまかしている?のでは。妹にいわせるとこういうのを時代についていけない人というのだそうです。時代についていけなくても結構。
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