ー地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるー
中国の魯迅という作家が言った言葉だそうだ。この地球には、最初から決まった道はない、たくさんの人が歩いたところがいつの間にか道になっている、ということですね。最近好んで読む作家に宮本輝がある。彼の本の中にいつも生きていく指針が読み取れる。おとなとは・・・幾多の経験を積み、人を許すことができ、言ってはならないことは決して口にせず、人間の振る舞いを知悉して、品性とユーモアと忍耐を持ち合わせているのが大人なのではないか、と書いてある。阪神淡路大震災を体験された宮本輝さんは形あるものは見事に壊れてしまった、その経験から大事な器も家も・・・そういう喪失感からの円熟した書き手に最近すっかりはまっている。ゴールド・コーストへは「ドナウの旅人」上下を持っていき、今回は「草原の椅子」上下を読みました。
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