週刊新潮に福田和也が「世間の値打ち」というコラムを書いておられる。「米倉」は当代で4代目の床屋さん、床屋さんの一流中の一流らしい。今銀座数寄屋橋、ホテル・オークラ、大阪、京都、神戸、広島、アムステルダムに支店があるそうだ。店でかかっているのはクラッシック、「小沢征爾の頭が気になって仕方がない、あの頭は日本の床屋の恥でございます、只でもいいから、ちゃんとした髪に整えさせていただきたい」と嘆いているそうだ。お値段は1万5千円くらい、市中の理髪店の平均が3千円くらいだから法外といえば法外。散髪のためだけに東京に行くような心がけがなければ、とても大をなさない。「凄いですね、その自信。「で、その松下幸之助は自社の製品が他より高いとき、顧客に理由を訊かれて、「私どもは魂を添えるのです」と説明したそうだ。まさに松下様がおっしゃる通りです。米倉の料金は魂を加えた料金なのでございます。よく母が値段はただ取らない、それだけの理由があるのよ、と申します。昨今2着で2万円なんて青木だか青山の背広でしょうか?新幹線の最終便で乗り合わせた男性(出張帰りらしき)の顔だけじゃない背広のくたびれ方を眺めていると、何だか悲しくなります。「容姿を整える」ことを目的とする床屋さんは1000円切るだけの駅中散髪からはこの美学はうまれないでしょうね。ハサミに魂を添える!男の美学結構女性特に私の年になると見えてきます。
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